フリーランスという働き方は海外ではかなりメジャーであり、
株式会社ランサーが発表したフリーランス実態調査（2019年度）によるとアメリカ国内の労働調査では人口の約3割、つまり3人に1人がフリーランスとして働いているという結果が出ています。
比べて日本では、まだまだ企業に属する働き方が一般的。
ですが、現在約1000万人以上、10人に1人がフリーランスとして働いていると言われていることを知っていますか？最近では、副業の解禁や24時間営業の廃止なども実施され、社会人の働き方は少しずつ変わってきています。
本稿では会社を退職する前や後で行っておくべきことをお話ししていきましょう。

 

■退職前に確認しておくべきこと

退職が決まった後、何もしなくていいかというと、そうではありません。
フリーランスとして新たに働き出した後で困らないためにも、会社員でいるうちに行っておくべきことを確認していきましょう。

・クレジットカード作成
「フリーランスは審査が通りにくい」という話を、一度は聞いたことがあるかもしれません。
なぜ審査が通りにくいかというと、月の収入が安定していないことが一番の理由です。
カード会社も支払いの遅延は極力避けたいため、毎月の収入が読めない状態であるとなかなか通らない、もしくは審査に時間がかかるという実情があります。
もちろん、収入が安定すれば審査は通るようになりますが、フリーランスになったばかりの駆け出しの場合、作成が難しくなる可能性もあるので早めに準備しておくことをオススメします。
フリーランスに転向した後も、手続きや軌道に乗るまでにやるべきことはたくさんあるので、
手間やストレスを省くためにも事前に対応しておきましょう。

・ローンの申請や引越し
カード作成と同様で、住宅ローンや車のローン・引っ越しの審査も通りにくい傾向にあります。
実際に審査中にフリーランスに転向したところ、融資が減額されてしまったという話も少なくありません。
「会社員」という肩書きがあるうちに申請を済ませておくべきです。
退職をする時期はさまざまだと思いますが、後になって困ることが無いように計画的に進めていきましょう。

 

■退職後にすぐやるべきこととは？

ここまでは退職前に行うべきことを話してきましたが、退職をした後フリーランスになったらすぐに行うべきこと、準備するものを以下で解説していきます。

・国民年金への切り替え
会社員のときは厚生年金に加入していますが、フリーランスに転向した場合は国民年金への切り替えが必要です。
退職した日から14日以内と期限が区切られているので、うっかり期限を過ぎてしまったということが無いよう注意しましょう。
手続きは居住区の市町村役場に下記の物を持参して行います。

①年金手帳
②厚生年金など退職日が分かるもの
③印鑑
④身分証明書

健康保険については国民健康保険に切り替えるか、退職後2年間に限り任意継続を選択することが可能です。各世帯によってどちらが損をしないかは異なるので、自分の保険料を確認して判断していきましょう。
※詳しくは下記リンクをご覧ください。
フリーランスの健康保険は何を選べばいいのか？

・必要なものを準備しよう
会社員のときは企業側で処理をしていたり、当たり前に付与されていたものもありますが、
フリーランスとして独立すれば、今後は全て自分で対応しなければいけません。
最初に準備するべきものをチェックしていきましょう。

①事業用通帳
確定申告の処理は会計ソフトを導入することが一般的ですが、通帳が必要であることや自分で全てのお金を管理することになるので、プライベート用と分けておくことをオススメします。

②契約書/見積書/請求書など雛型
企業に所属していないフリーランスは労働基準法に守られていないため、契約書はしっかりと用意しておきましょう。
仕事の契約を結ぶときは先方の雛型がある場合が多いですが、ある程度の内容を把握するためにも、
基準となる雛形を持っておくことは重要です。
見積書や請求書はインターネットでテンプレートもダウンロード可能なので、使いやすいものを選んでカスタマイズすると良いでしょう。

 

■まとめ

毎月、一定の収入が保証されている会社員と比較すると、フリーランスはまだ転向について慎重に判断される傾向にあります。
ですが、フリーランスの人口が増加している通り、今後は社会的信用度も上がっていくのではないでしょうか。
退職前・退職後で準備するべきことはたくさんあり、「面倒くさい……」と感じるかもしれませんが、一つひとつはそれほど難しいことではないので、抜け漏れが無いように進めていきましょう。