やりたいことが決まり、方向性も定まった後、その目標を実現するためにはどのようなことを行えばいいのでしょうか？ 「やる気があれば何とでもなる」という気概は素晴らしいですし、そのようなモチベーションやマインドが持てなければ仕事を続けることは難しくなるでしょう。ただ、それだけではやりたい仕事に就けなかったり仕事が長続きしないなど失敗してしまうリスクを解消できません。
今回はエンジニアが取り組むべきことや、身につけておきたいことを中心にお話します。

■より良い勉強法、何から始めればいいのか

エンジニアとしてスキルアップをしていくうえで勉強は避けられませんが、どのように学んでいけばいいのでしょうか？
先にお伝えしておきますが、自己学習は“ポートフォリオや成果物”など視覚的に能力を判断できる形にしてくださいね(理由は後述にて)。

「何をどこまでできるのか」というスキルレベルは、経験年数と今まで携わってきた業務内容や担当範囲で判断されます。

スキルシート(経歴書)に記載する場合、なるべく詳細に記入すると読み手のイメージが容易になり、逆に記載内容が薄いとスキルシートに関する確認が繰り返し発生してしまいます。
ただ、プロジェクトに入ったことが無い、もしくはエンジニアの経験がまだ浅い方は経験者と違ってアピール材料に乏しく、「何ができるのか」という部分が見えにくいです。
なので、資格取得や成果物(ポートフォリオや自作アプリなど)の作成を目標に勉強していくことをオススメします。
実務経験が無く、過去に携わったプロジェクトの実績をアピールできなくても、独自に手掛けた成果物があるだけでスキルレベルを主張できるのです。そもそもWEB系のデザインやディレクターを希望する場合だと、ポートフォリオの提出が求められることも多いので、最終的な仕上がりを意識することも重要ですが、まずは楽しみながら作成に取り組んでみましょう。

では次に、ITエンジニアになってまだ間もない人でも取得できる、オススメの資格を紹介します。

【ITパスポート】
ITの基礎知識が身につく国家資格であり、「1000点満点中600点以上」かつ「3つに分かれている各分野の正解率がそれぞれ30%以上」という2つの条件を満たすことが合格条件になります。
基本的な知識を身につけるための内容なのでそれほど難易度は高くなく、ITエンジニアを志すとっかかりとしてオススメです。

【CCNA】
ネットワークに関する基礎知識が身につきます。新人研修の最終目標をCCNAの取得にするケースも多く、内容は難しくありません。
ただ合格条件は非公開になっており、「1000点満点中80～90%以上の正解率」が合格条件と言われています。

【LPIC】
WindowsやMacといったOSの一つであるLinux(サーバー)の基礎知識が取得可能です。
未経験からインフラエンジニアを目指す人にも易しい難易度であり、Linuxのスキル判断基準として公式に認められている資格となります。

【基本情報技術者試験】
イメージとしてはITパスポートのワンランク上と考えてください。情報系の知識が全く無い未経験の方だと、合格まで3か月～半年程度かかることが多いようです。
ITパスポートに比べてやや難易度は高めですが、ITエンジニアのスタートラインと位置づけられている試験なので、ぜひ取得しておきましょう。

上記はほんの一部で、IT業界には多種多様な資格が存在しています。
実績や経験が重視される業界ですが、目標に向けて努力できることは仕事を継続していくうえで大切な要素。
「資格取得はゴールではなく通過点」であり、学んだ知識を活用しプロジェクトで活躍することを目指して経験を積んでいきましょう。

■研修・セミナーも有効活用しよう

最近では、ITエンジニア及びフリーランス向けの講習会やセミナーを開催している企業も増えてます。無料参加可能なものや、5000円～10000円程度の受講料がかかるものがあり、内容もさまざまです。
ネットの検索だけでは得られる情報は限られるので知見拡大に限界がありますが、「百聞は一見に如かず」と言いますし、話を聞いたり手に触れてみることで身近に感じ、より現実的に考えることができるでしょう。
受講者同士でコミュニケーションを取る機会も多く、より具体的な意見や有意義な情報を交換できるのでオススメです。
「何から手を出せばいいか分からない」「自分に向いているか不安だ」という懸念もあるかと思いますが、まずは行動してみて生の声を聞くところから始めてみてはいかがでしょうか？

■まとめ

ITエンジニアとしてのキャリアアップは、一朝一夕で成就するものではないので、継続して学んでいくには自発的に取り組む力、仕事への意欲があることが大前提です。
時間も費用も掛かることなので、「自分に合うものは何か」を見定め、有効活用していきましょう。