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フリーランスになるために必要な手続きはあるのか?
これからフリーランスになろうと検討されている方の多くが気になる点でしょう。
必要な手続きとして一番に思い浮かぶのは「開業届の提出」かもしれません。開業届の作成・提出はフリーランスとして働く場合必ず行わなければならないのか、この点を今回のテーマとして取り上げます。
開業届を提出するメリットやデメリット、また開業届の内容と提出方法についてもお伝えしますので、是非ご覧ください。
開業届の手続きは、正式名称を「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」と言い、新しく個人で事業を開始したとき(事業用の事務所・事業所を新設、移転、廃止などしたとき、又は事業を廃止したとき)に行う手続きとなります。
説明だけを聞くと「絶対に必要な手続き」「手続きしないと罰則とかありそう…」と感じてしまうかもしれませんが、フリーランスとして働く場合にも開業届は必要なのでしょうか?
結論としては、開業届を提出しなくても問題ありません。
開業届の手続きをしないことで罰則を受けるということもありません。もちろん、フリーランスでも開業届を提出することは可能です。
開業届の提出有無に関わらず、収入がある場合には納税の義務があります。必ず確定申告を行い、納税を行わなければなりません。
「手続きとか面倒だし、開業届は提出しない」という方もいるかもしれませんし、「手続きだけはしておこう」という方もいるでしょう。
そこで次に、開業届を提出することで考えられるメリット・デメリットをお伝えします。
開業届を提出するメリット・デメリットとして、主に次の内容を挙げることができます。
■開業届の提出メリット①:節税効果がある
開業届を提出すれば確定申告の際に、青色申告ができます。白色申告に比べて青色申告は控除額が大きくなります(最大65万円の控除)。また、赤字の繰り越しも可能となります。このように開業届を提出することで節税効果という大きなメリットが受けられます。
■開業届の提出メリット②:小規模企業共済への加盟可能
小規模企業共済とは、個人で事業をしている個人事業主や経営者向けの積立式退職金制度です。事業を廃止した時や役員を退職した時、掛け金に応じて共済金を受け取ることができます。掛け金は所得控除、共済金は退職所得の控除対象となりますので、こちらも節税効果につながります。
■開業届の提出メリット③:社会的信用性が高まる
開業届は公的機関である税務署に必要書類を提出して受理してもらう手続きです。また、開業届を提出することで屋号を持つことができ、銀行口座も屋号での解説ができます。屋号を持ち、屋号での銀行口座を持つことで、個人名で事業を営むよりも社会的信用性は高まると言うことができます。
■開業届の提出デメリット
開業届を提出することで生じるデメリットとしては、手続きなどで手間がかかることが挙げられます。これからお伝えする開業届の用紙を作成して提出する手続きがありますので、それが面倒に感じてしまう可能性があります。また、青色申告をする場合には別途申請書類などの事前準備や日常業務での会計管理など作業が生じます。このような点が開業届の提出によるデメリットとなるでしょう。
最後に、開業届の内容と提出方法についてお伝えします。
まずは、開業届の用紙を入手しましょう。開業届の用紙は各税務署でも入手可能ですし、国税庁のホームページ(『[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続』https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm)からダウンロードすることも可能です。
=開業届の内容=
①提出先の税務署名
開業届を提出する税務署の名前を記載します。
②開業届の提出年月日
③納税地
基本的には自宅住所(生活の本拠地)を記載します。
④上記以外の住所地・事業所等
自宅以外の拠点がある場合のみ記載します。
⑤氏名
⑥個人番号
マイナンバーを記載します。
⑦職業/屋号
どのような職業か記載します。屋号は記載しなくても提出可能です。
⑧届出の区分
新しく開業する場合には開業にチェックします。
⑨所得の種類
フリーランスの場合は事業(農業)所得にチェックします。
⑩開業・廃業等日
決められた日付はありませんので、開業届の提出日を記載して問題ありません。
⑪事業所等を新増設、移転、廃止した場合/廃業の自由が法人の設立に伴うものである場合
⑫開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告承認申請書」や「課税事業者選択届出書」などの提出有無について、有・無をそれぞれ該当するものを選択します。
⑬事業の概要
⑭給与等の支払の状況
従業員の雇用など、給与支払いが発生する時に記載します。
⑮源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
特例承認に係る申請書の提出有無について、有・無のいずれかを選択します。
⑯その他参考事項
特に記載の必要はありません。
⑰関与税理士
顧問税理士がいなければ記載の必要はありません。
開業届の提出方法は、納税地を所轄する税務署に直接持参して提出する、もしくは郵送にて行います。また、e-Tax(国税電子申告・納税システム)での提出もできます。
開業届の内容に不備等があるかもしれないと不安がある方の中には持参して提出するという方もいらっしゃるようです。
郵送する場合には控えの返送してもらう必要がありますので控用の開業届と合わせて返信用封筒(切手貼付したもの)を同封しましょう。また、確定申告を青色申告で行う予定の方は、開業届を提出するタイミングで「青色申告承認申請書」も一緒に提出するとよいでしょう。
関連記事:『フリーランスの確定申告|フリーランスが行う確定申告の流れと注意点』
開業届の提出時期については、事業の開始から一か月以内となります。
先ほどお伝えしたようにフリーランスとして働く場合でも、開業届を提出することで得られるメリットがありますので、開業届を提出するという方は提出時期に注意しましょう。
今回は、フリーランスの開業届についてお伝えしました。
開業届の作成・提出については義務ではありませんので、開業届を提出するもしないも自由です。しかし、開業届を提出することで得られるメリットは多数ありますし、提出することで発生するデメリットとしては手続きの手間に止まります。今回お伝えしたメリットを受けたいと考えている方は開業届の提出を検討されてみてはいかがでしょうか?
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